シタデルカラーの話

2020年4月12日

シタデルカラーはウォーハンマーなどのミニチュアフィギュア塗装用にイギリスのゲーム製作会社ゲームズワークショップが販売する水溶性アクリル系塗料です。

隠蔽力が高く、硬化前はシンナーなど必要なく水で溶く事ができ、比較的早い乾燥また乾燥後は耐水性と、とても扱いやすい塗料で、ここ何年かで爆発的にヒットしている製品です。
うっかり蓋を閉め忘れて、少しドロドロになっても、水道水を入れて振ったら復活してくれるという、
模型用塗料はめんどくさい概念を払拭されます

自分は、最初は隠蔽力が求められる白とか黒のレタッチにシタデルカラーを使い始めました。
ベースブラック(BASE ABADDON BLACK)とレイヤーホワイト(LAYER WHITE SCAR)を使用。
本当はホワイトも、ベースホワイトがほしかったのですが、今市場にあまりないみたいでレイヤーを購入したのですが、レイヤーでも隠蔽力十分あります。

乾燥後の塗膜もなかなか強固で、逆に落とせなくなって困るレベルです。
シタデルカラーは基本的に上塗りを重ねるため落とすということを考えていません。
ラッカーだと明るい色(サフからだんだん暗い色を吹いていくことが一般的ですが、シタデルカラーは隠蔽力の高さを使って暗い色をベースに、明るい色で立ち上げる手法がとれます。

硬化後は、燃料用アルコールで溶かすことができるのですが、カラーチップを作ってテストをしてみると、燃料用アルコールはラッカーも侵食するので、ラッカーの上にエナメルを塗るような使い方は難しいです。
・・というツイートをしていたら、ハイキューパーツさんから「リキテックス・ブラシエイド」がいいですよ、と教えていただきました。


試したところ、「溶ける」というよりかはこっちは「剥げる」って感じで結構長時間漬けてゴシゴシやらないとだめなので大変ですが、なんとか使えるかな・・
レイヤーまだはいけますが、ベースカラーは強固すぎて落ちる気がしません、あと、下地のラッカーも条件(梨地だったりすると)によっては剥げるので注意です。
まあシタデルは硬化(ソリッド化)前なら水をつけてなでるだけで整うので、基本的には硬化前に処理or上塗りなんですよね。

水溶性塗料は海外だと有機溶剤の使用が禁止されていたりする関係で、技術が進んでいるみたいです。
対抗馬としてはファレホ(スペインメーカ・ボークス日本販売)が挙がりますが、実物を見ると、発色がいまいち良くない気がする。
あと、今販売されているものは大丈夫らしいけど、有害なカドミウム(イタイイタイ病のあれ)を使われていたりしてたりするので、古いロットを使うときは気をつけたほうがいいです。

他にも、クレオスをはじめ、日本メーカもちょいちょい水溶性塗料を出していますが、どれも主流になりえず、これからもしばらくシタデル一強状態が続きそうです。
他のメーカーも頑張って、安く、手軽に使えるシリーズを出して欲しいですね。